2012年 10月 26日
桜の単行本の企画は、福島在住の作家の玄侑宗久氏との共著という形で出版されることに決まりました。
桜は、昨年と今年4月中旬から5月上旬にかけて、福島、宮城、岩手県で撮影した被災地の写真です。
今まで俺はそれほど桜に興味はなく、咲いてれば写真に撮ったり花見をする程度で、たいして意識をしたことがありませんでした。
ところが、瓦礫で咲く桜、根こそぎ倒されても咲く桜、折れた幹に芽吹く花、そして陥没した海岸線で海から咲く桜の姿には衝撃を受けました。桜が冷たい塩水の中で満開の花を咲かせているんです。
桜のイメージが「強さ」にかわり、それが復興に向けがんばっている人たちとダブって見えるようになりました。「美しさ」はたんに「きれい」なのではありません。
俺はこの瓦礫で、傷つきながらもけんめいに生きている桜という「命の木」に、初めて「美しいなぁ」という思いを持ちました。
また桜が、被災者だけではなくて、俺たち日本人を元気にしてくれるものだと気が付きました。2年ぶりの花見、これほど待ち焦がれた花見は今まで見たことがありません。みんなの笑顔が忘れられません。
単行本を通して「未来」や「希望」を感じさせる本になればなぁと思っています。
発売時期が来年の桜のシーズン前、2月に決まったようです。