2010年 9月 15日
ガンジス川源流域におけるチャールダームヤットラ(四大聖地巡礼)最大の聖地バドリナート。ナラヤン(ビシュヌ神の化身である太陽神)を祀る。また、ヒンドゥー世界の東西南北を守護する四大神領のひとつであり、北を守る霊場として崇められている。
バドリナートはインド人には大人気の聖地だが、外国人の姿はまれである。外国人旅行者は、(ガンジス川源流域における)ヒマラヤ巡礼を考える場合、第一にガンジス川源流の聖地を目指し、さらに興味を持った人は、シヴァの霊場ケダルナートを訪れるのが普通である。バドリナートにたいしては、山中の聖地としては規模が大きく、なんとなく俗っぽいと感じるのだろうか。僕も少々迷った。だが、百聞は一見にしかず、というわけではるばるバドリナートまでやってきた。最初に感じたのはやはり軽い失望だったが、サドゥ(ヨーガ修行者)の小屋を探して聖地の周辺をうろつき歩くうちに不思議な谷間へと彷徨いこむことになった。自然の洞窟をそのまま生かした住居が少なくともふたつあり、何人かのサドゥが暮らしていた。谷間には落石の音がひっきりなしに響き渡り、そこにいるだけで何かが覚醒してくるような不思議な力があった。ただし、谷間の印象はひどく暗い。実際、雨模様の天気だったこともあるが、谷間に住んでいたサドゥの性格にも影響されている。俗世間に背を向けて暮らしているような人たちだったが、彼らもまた十分に人間臭く、特殊な環境で暮らすことによってさらに臭気が昂じているような印象さえあった。だから悪いという話ではなく、僕はこの谷間でサドゥが持つ力の源のようなものを感じてとくに印象深かった。彼らの話はすでに個人のHP(chaichai)で紹介しているので、興味のある方は下記のページをご覧いただければと思います。
サドゥを探しにOm Namah Shivaya