2010年 8月 14日
青海省玉樹は、省都西寧から南に直線距離で約700km。周りを山に囲まれた標高約3700mの町で、中心部には衣類や雑貨を売るマーケットがある。周辺に住む牧畜を営んでいるチベット族と、町に住む人たちの交易と情報交換の場所だ。2010年4月14日、マグニチュード(M)7.1の青海地震が起きた。
地図
町外れの高台には、チベット仏教寺院「ジュグ・ゴンパ(結古寺)」が建っています。
ゼーゼーと息を切らしながら坂道を上っていくと、すぐに若い僧侶たちが、くったくのない笑顔を見せて、数人寄ってきました。日本人だとわかると興味を示し、その中の一人が寺を案内してくれることになりました。
歩いていくと、崩れたままになっている赤い壁がそこらじゅうに建っていました。これは昔、寺の建物の一部でしたと、青年僧は教えてくれました。この寺も文化大革命の時代に破壊されたそうです。でも、その後1982年から寺は少しづつ修復されてきました。
部屋では、仏像の修理も行われていました。根気のいる仕事です。
「いい眺めでしょう」と言って彼が最後に案内してくれたのは、町を一望に見渡せる場所でした。町をバックに颯爽と立っている彼に「いつまでここで修行するんですか?」と聞いてみました。
すると彼は「一生」と、キッパリ答えたのです。その迷いのなさに感動を覚えたものでした。
建物の多くは、日干しレンガや石を積み上げたような物だったので(町の建物はコンクリートもありましたが)、地震が起きたらひとたまりもありません。案内してくれた僧は大丈夫だったでしょうか。
交通事情、通信事情の悪い地域なので、大きな被害になってしまいました。(2010年4月25日午前0時時点で、死者2698人、行方不明者270人、負傷者は約1万2315人。Wiki青海地震より)