2010年 8月 19日
7世紀に吐蕃王朝第33代ソンツェン・ガンポがチベットを統一しラサに都を置いた。ポタラ宮は1994年世界遺産に登録され、2000年にはジョカン寺が拡大登録された。
地図
チベット族には仏教が色濃く浸透しています。ジョカン寺を中心に、パルコルという環状道路を巡礼者がまわっています。体を地面に投げ出して仏への帰依を表す五体投地を繰り返す人も多い。その額は地面にこすり付けられ、硬いタコになっていました。
手に持ったマニ車を回し、ひたすら「オムマニペメドフム・・・・」と真言を繰り返す巡礼者たち。マニ車の中には経文を印刷した紙が納められていて、この円筒を右回りに回転させると真言を唱えたと同じ功徳があると信じられています。
さまざまな巡礼者と、世界各国からの観光客で、パルコルは終日賑わいをみせています。
ラサの、あるチベット寺院に行ったとき、青年僧から「日本人?」と聞かれて「そうです」と答えると、「ちょっと見せたいものがある」といって連れて行かれたのは、倉庫のようなところに無造作に置かれた一体の仏像でした。
ただ、普通ではなかったのは、弾の跡がいくつも空いたスクラップ状態になった仏像だったのです。
「これは文化大革命のときに、漢民族に壊されたものなんだ」
一旅行者としてチベットを旅していても、当時から、漢民族とチベット族との反目は感じていました。
2007年には、青海省の西寧とチベット自治区のラサをつなぐ青海チベット鉄道が開通しました。世界で最も高い場所を走る鉄道です。これでますますラサは漢化が進んでいるようですが、2008年にもチベット族による大規模な抗議運動が起こりました。このニュースは世界各国で報道され、強硬策で鎮圧した中国政府は国際的な批判を浴びました。