2010年 9月 24日
世界遺産「九塞溝(九寨溝)」は、四川省北部にある自然風景保護区。広さ620平方kmのこの保護区の中に、百余りの高山湖沼が点在している。
地図
保護区内を歩くと、たくさんの湖沼が現われます。チベット族の神話によれば、男神ダーゴーが女神ウォノモスに求愛したときに送った鏡が、これらの湖沼群だという。
湖底では沈んだ古木が、ゆらゆらと輝いています。あたりはシーンと静まりかえり、神秘的な雰囲気です。
高さ7mほどの滝の落口に出ました。中国人観光客たちが谷底まで降りてゆき、大きなカップに水を汲んできました。そのカップをみんなでまわし、一口ずつ飲みます。中国人が生水を平気で口に運ぶのを見たのは、これが初めてでした。
「あなたも、どう?」
差し出されたカップを、私は礼を言って受け取り一口飲んでみました。 水は透明でおいしく、中国人観光客たちが、「九塞溝は水を見るための風景区だ」 と言うのも、なるほど、うなずける気がしました。
私は、水音を心地よく感じながら、しばらく滝壺に落ちる水を眺めていました。