2010年 9月 10日
ガンジス川源流域におけるチャールダームヤットラ(四大聖地巡礼)のひとつケダルナート。サドゥ(修行者)にも大人気の楽園だ。標高は約3500メートル。5000メートル級の雪山に囲まれた雄大な風景の中に石造りの古い寺が建つ。
この世に天国があるとするなら、その候補のひとつとして聖地ケダルナートを挙げておきたい。三方を雪山に囲まれたこの聖地には奇妙な安心感が漂っている。雪山はシヴァ神の住処でもあるから、この聖地はまるで神々に抱かれるような格好である。三方の雪山からは絶えることなく清涼な水が流れ落ち、聖地ケダルナートにはさわやかな草原が広がっている。ヒマラヤから流れ落ちる水は聖地のすぐ下で合流し、一本の渓谷を伝って下界に流れる。この渓谷沿いに下界と聖地を結ぶ登山道が続くだけで、ほかに余計な道はない。たとえば風水的に言えば、ケダルナートはまさしく吉兆の土地と言うことが出来るだろう。ヒマラヤから生まれた清浄な気(エネルギー)が拡散することなく聖地を満たしているというふうに僕には見えた。これほどシヴァの恩寵を感じる場所はほかにないだろう。
ケダルナートでの滞在は楽しかった。その様子については上の写真を見てもらえればと思う(理解できないと感じる人もいるかもしれないが、僕にとってはこれが天国というもののひとつの形)。