2010年 9月 28日
ヒンドゥスタン平原とデカン高原との境界線にある聖地。森の中に清流が流れ、いくつかの洞窟聖地がある。アラハバードから110キロ。
小さなヴァラナシと呼ばれるチトラコートを訪れた。到着した夕方、バザールの裏側にある川沿いの聖域を歩いた。ガート(沐浴場)が並び、花売りの子供たちが歩きまわっている。たしかに小さなヴァラナシだ。でもここは聖地の表玄関部であり、核心ではないようだ。
次の朝、清流をたどってさらに谷をさかのぼり、ふたつの洞窟聖地を巡った。大きなほうの洞窟には人工的な歩道が整備されていたが、小さなほうの洞窟は、奥まで入るには、せまい洞窟内で膝下ぐらいまでの深さの水の中を歩かなければならない。神秘的な雰囲気があってなかなかよかった。
滞在日数が短かったのでチトラコートのことはまだよく分からない。ほかにもまだ聖域があるようだ。ところで、チトラコートはガンジス川が流れるヒンドゥスタン平原の中央部を位置するウッタルプラデシュ州と、デカン高原北部一帯を占めるマディヤプラデシュ州のふたつの州にまたがるような形で形成されている。細かな市町村区分については不明だが、バザール裏手の聖域はウッタルプラデシュ側にあり、一方、洞窟聖地はマディヤプラデシュ側にある。ここは山と平原を分ける境界線であるが、その象徴となるのが洞窟の存在である。
風水の思想では、このような場所は龍が水を飲む龍穴として大切にされるが、それはインドでも変わらない。川や山の稜線といった大地の気脈のポイントとなるのが龍穴であり、人体に例えるとツボのようなもの。そういう場所が聖地になっている。