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インドネシアは約1万8000の島々からなる世界最大の島嶼(とうしょ)国家。そのひとつ、バリはヒンズー教徒の島だが、90年代以降、イスラム教徒も増えた。首都ジャカルタのあるジャワ島の東側に位置する。
map01_32地図

「ガベン」というのは、バリ島の火葬式のことです。

激しいガムラン音楽が鳴り、男たちが「バデ」と呼ぶ御輿と、牛の形をした火葬棺を担いで火葬場へ向かいます。

バリ島のヒンドゥー教徒の葬儀は、貴族や僧侶の場合、比較的すぐに火葬されますが、一般農民の場合は、まず一時遺体を、1年でも2年でも儀式の費用がたまるまで土中に埋葬します。費用の準備ができると、村共同でやったり、金持ちの儀式に便乗してやったりします。掘り返された遺体は、御輿に載せられ火葬場へ運ばれます。

Tシャツに短パン姿の外国人観光客たちが、興奮状態の行列にカメラやビデオを向けます。バティック(ジャワ更紗)、木彫のお面、笛などの土産物を売る現地人が、観光客の間を忙しそうに渡り歩きます。サテ(焼き鳥)やバソ(麺)の屋台も出て、さながらお祭りのような雰囲気で、葬儀の暗さは微塵も感じられません。

旅行代理店に、時折「火葬ツアー」の告知が出ます。観光客は火葬儀礼見学のツアーで集まってくるのです。「火葬ツアー」などというと、奇異に聞こえるかもしれません。人の葬式を観光客が見学に行くなど不謹慎ではないかと思われるかもしれません。でも、これには、バリ島観光化の初期からの伝統があったようです。

インドネシアがオランダの植民地だった1924年に、オランダ王立郵船会社とアメリカン・エキスプレス社共同主催のツアーがバリ島に立ち寄ったのが最初で、それ以降バリ島観光熱は高まっていきました。そのなかでバリ・ヒンドゥー文化の派手な見せ場として、火葬儀礼がツアーに組み込まれたということです。王族や貴族にとっても、盛大に儀礼を行うことで、自分たちの権力を誇示できるということもあり、積極的に観光事業にかかわり、外国人を受け入れていました。

火葬儀礼を受けた霊魂は、天界に昇ります。祖霊として家寺に祭られ、いつの日にか、子孫として再生するのです。バリ人にとって、火葬は悲しむべきものというよりは、死者の魂を無事に天界へ送り届ける、重要で厳かな儀式なのです。

「外国人がたくさん集まってくれるのは、嬉しいことなんです。魂が天に昇るのをたくさんの人から祝福してもらえますから」と、親族の男は英語で言いました。

でも私が5回火葬儀礼に参加したうち、親族の女性が泣いているのを2、3度見かけました。やはり親族にとっては、死者との別れが悲しくないはずはないのです。彼女たちの涙を見て、逆に安心しました。

バデから棺へ移された遺体は、僧侶によって清められ、やがて火が付けられます。ゴーッというガスバーナーのうなり声が、火葬場に響きわたります。遺体は焼け、白い煙は天に昇ってゆきます。2時間ほどで灰になります。ヤシの実の中に聖水と一緒にすりつぶした遺骨を収めて、行列を作って川へゆき、僧侶の祈りのあと、それを流します。儀式はようやく暗くなってから終わりました。

文化を売り物にするバリ島観光業。でもこれだけ観光化が進んでいても、自分たちの宗教儀礼は淡々と続けています。観光客がこれ以上踏み込んだら許さないというぎりぎりのところで外国人を扱っている彼らのバランス感覚にはおそれいります。それも長年に渡る観光業の伝統があるからなのでしょうか。

ところで、私は4回くらいバリ島へ行っていますが、そのときは、デンパサールの警察署でバイクの免許を取って、レンタルバイクで島内を回っています。ただ、せっかく取った免許ですが、まだ一回も警官に免許提示を求められたことはありません。

幹線道路は交通量も多いし、車の排気ガスで、あまり快適ではありません。交通事故も多く、実際欧米人のバイクが転倒した事故も目撃しています。

ただ、田舎道を走るのは、やはり快適です。ガソリンスタンドも適当にあるし、なくても、村の売店で燃料(エタノール?)は買うことができます。おばさんが、バイクのタンクの穴にジョウゴをあてがい、瓶に入った薄ピンク色した燃料を注いでくれます。

私は、多少の危険を覚悟して、レンタルバイクにしてしまいます。

 

 

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