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モロッコの旅は、スペインから乗ったフェリーがタンジェの港町に到着したところから始まった。
map01_32地図

スペインの南部アルヘシラスからフェリーでモロッコのタンジェに渡りました。

それほど遠くないので、スペインの延長みたいなもんだろうと思っていたら、とんでもない。まぎれもない北アフリカのアラブ国で、ヨーロッパとはまったく違う雰囲気に、慣れるまでにしばらく時間がかかりました。

ハエの多さと物売りのしつこさに辟易し、上陸3日で、もうスペインに戻ろうかなぁと思ったくらいでした。

ところが、日陰が涼しいカフェでミント入り緑茶「メンテー」を飲む習慣や、迷路のような旧市街を歩き回る楽しさに気がついてからは、このモロッコという国の魅力に取り付かれたようでした。

そして結局、最初は10日間の旅、2回目は数年後、1ヶ月間、モロッコを旅することになったのでした。

最近、「モロッコ」で思い出すのは、菊地凛子が第79回アカデミー賞の最優秀助演女優賞候補にノミネートされたことで話題になった、ブラピ主演の映画『バベル』です。

【ネタバレ注意】 モロッコのアトラス山脈でアメリカ人観光客が銃撃される事件が起き、世界で大きく報道されますが、それはテロリストによる事件ではなくて、現地少年のいたずらによるものでした。そして使われた銃が、役所広司扮する日本人の会社役員がハンティングのモロッコ現地ガイドに「お礼(善意)」としてあげたものだったという話。

こう書いてしまうと、それだけの話ですが、深読みすれば、いろんなことを考えさせる映画ではありました。

一見ばらばらのようでも、世界のあるところで起きている出来事は、世界の別なところで起きている出来事と無縁ではないということでしょうか。

日本でのシーンは、菊地凛子が、盛り場をうろつき、やたらと脱ぎたがる、ちょっと変った女子高生チエコを怪演(?)していました。

映画のストーリー上、日本のシーンが必要なのか?と疑問でしたが、「そうか」と気がつきました。それによって日本のシーンが必然性を帯びるからです。

金にあかして好き勝手にやっている日本人の「善意」が、こんなふうになるかもしれないんだよと、日本人を皮肉っているのかもしれません。もちろん、「風が吹けば桶屋が儲かる」式の因果関係に、どこまで責任をもてるのかは疑問ですが。

ただ、この構図は、あることと似ています。日本は、自衛隊を前線に送ることはなく(憲法上しかたないですが)、お金だけ出しています。でも、銃は撃たなくても、お金を出していることによって、アフガンやイラクで人が殺されていることに日本も関係している、そういうイメージとダブるのです。

アメリカには「思いやり予算」(在日米軍駐留経費負担の通称。名前がステキですね)を負担しています。「テロとの戦い」の御旗のもとに、他国を攻撃し、民間人を殺していることに、「思いやり予算」≒「善意」が使われているとしたら・・・。

そして、この映画を観て、あらためて思いました。アメリカ人がひとりでも銃撃されたら世界中のニュースになりますが、たとえば、イラク人やアフガン人やモロッコ人は、何人殺されたらニュースになるんでしょうか。

モロッコの旅の話から外れてしまいました。すみません。次回の「モロッコの旅(2)」で、旅の話を書こうと思います。

 

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