2010年 8月 28日
ヒマラヤの東はミャンマー北部のカチン州に達している。そこには、東南アジア最高峰のカカポラジ(5,881m)がそびえている。東南アジア最高峰はなぜかマレーシアのキナバル山といわれているが間違いだ。このヒマラヤの東への玄関口になるのがプタオ(Putao)。ここにはジンポー族(カチン族)、ラワン族、リス族、チベット族など多くの少数民族が住む。
プタオの空港に降り立つと東南アジアとは思えないすがすがしい空気が満ちていた。地平線には雪山が連なっている。まさに、東南アジアのスイス(行ったことはないが)だ。ここから往復1週間で標高3,655mのポンカンラジという雪山に向かう。ラワン族のポーターは、男性5名女性5名と男女同数だ。男女混合だと男も女も張り切るらしい。
私は普段の運動不足がたたり、早くも1日目でふらふら。カメラ以外の荷物はポーターにまかせる。地元のポーターたちはさすがだ。サンダルで山道をすたすた上っていく。夜になると、みんな元気に合唱大会になる。私もむりやり日本の歌を歌わされる。ラワンの人たちはキリスト教徒が多いので賛美歌で鍛えられている。みんな非常にうまい。海外だとどこでも歌を歌うことを強要されるのが私の頭痛の種だ。特に、初めて日本人と会ったなんていう人たちが相手の場合が困る。私が下手ということは、日本人は歌が下手ということになるからだ。ということで、私は各地で日本人の評判を落としていることだろう。
4日目にはかなり上のほうまで来た。頂上まであと3〜4時間というところまできて雪が深くなってきた。雪で足下が全然見えないので、時々ずぼっと胸まで雪に埋まる。私は山の素人、これ以上は危険だということで、残念ながら撤退することにした。
下山途中、女性ポーターたちの記念写真を撮ることにした。すると、二人がちょっと待ってとどこかへ消えてしまった。しばらくして戻ってきたら、すっかり見違える姿になっていた。わざわざラワン族の民族衣装を持ってきてたのだ。雪上のモデル撮影会になった。