2010年 9月 20日
ヤンゴンの小高い丘の上に立つシュエダゴン パゴダ。6世紀から10世紀にかけてモン族によって建てられた。しかし、伝説では2500年前にさかのぼる。この地にやってきたインド人兄弟からこの地のオカラパ王がブッダの聖髪を授かった。それを奉安するために建てたのがシュエダゴンパゴダの始まりだという。
ヤンゴンで車に乗っていたときだ。運転手が突然ハンドルから手を離し、変な格好をしだした。両肘の部分をハンドルに乗せ、両手のひらを合わせ、頭を何度か下げている。車はそのまま走っている。なんだなんだ危ないぞ、声をかけるひまもなくそれは数秒間続いた。左前方にシュエダゴン・パゴダが見えてきたのに気がついたのはその直後だった。
走行しながらのお祈りはこの運転手だけでなく、ヤンゴンではごく普通のことだった。信心深いのはいいのだが、これで交通事故が増えるのではないだろうかと外国人の私には心配になってしまう。
黄金に輝く98メートルの巨大なこの仏塔、考古学者によると、6世紀から10世紀にかけてモン族によって何度か建てられたという。しかし、広く信じられている伝説によるとシュエダゴンの歴史は2500年前にさかのぼる。ブッダからもらい受けた8本の聖髪を持ちヤンゴンまでやってきたインド人兄弟。この地の王だったオッカラパ(Okkalapa)は聖髪を授かり、それを奉安するために建立したのが始まりだった。
ところで、外国人にはシュエダゴン入場料というものがある。ミャンマー人は無料だが外国人は10ドル払わなければいけない。一度二度ならかまわないが、写真を撮りに何回も通うとなるとばかにできない。巻きスカートのロンジーとパナというミャンマーサンダルという格好で行っても係員に毎回ばれてしまう。なぜ分かるのか聞いてみた。「ロンジーのはき方が不自然だし、足の甲が白い」そうだ。おとなしく10ドルを払う。それから数ヶ月後、炎天下のミャンマーを歩き回った私の足の甲は黒くなり、ロンジーのはき方も上手になった。今度とばかりシュエダゴンに行ってみた。しかし、今度も返り討ちにあった。係員に聞いてみた。「足は黒くて分からなかったけど、何度も来ていたから顔を覚えていた」そうだ。シュエダゴンではおとなしく10ドルをお布施するしかないようだ。