2010年 7月 10日
建築大国スペインを象徴する巨大なカテドラル(大聖堂)。石造りの質実剛健な建造物は見るものを圧倒する。
スペインに行ってともかく感動したのはカテドラル(大聖堂)が立派なことである。数十年からときには数百年の歳月をかけて作り上げた大建築に完全に圧倒されてしまった。と同時に、僕はスペインの旅を通じてすっかり建築好きになってしまった。それにしてもひとつだけ心残りがある。バルセロナを外してしまったためにサグラダ・ファミリア教会を見損ねてしまったのだ。バルセロナには立派なカテドラルもあるから二重に損した気分だ。
感動したカテドラルはたくさんあるが、三つ挙げるとすれば、ブルゴス、サンティアゴ・デ・コンポステーラ、そしてトレドだろうか(セビーリャやサラマンカも捨てがたい…)。このうち、サンティアゴ・デ・コンポステーラのカテドラルはなんとなく素朴な印象もあって素直に好感が持てるが、ブルゴスとトレドのものは何と表現すればいいのか迷うところだ。装飾の限りを尽くした巨大建造物はまさしく権威主義の極みであるが、人間の限りない欲望に逆に感動してしまったのかもしれない。
ところでスペインに行ったのは真冬である。寒いのは辛かったが、中世ヨーロッパの雰囲気を存分に味わえた。ただ、写真を撮る上でちょっと問題があった。カテドラルなどの夜景を撮りたかったのだが、ライトアップの時間がどうもおかしいのである。街によっても違うが、夜になってもなかなかライトアップされず、バルでコーヒーを飲んで、食事までして外に出てもやっぱりカテドラルは真っ暗だったりして、もういいかげん帰ろうと思った瞬間に大聖堂が闇にぼんやり浮かびはじめるといったこともあった。当然だが、街はすでに閑散としていて、いったい誰のためにライトアップされているのかも分からない。第一、真っ暗な巨大なカテドラルというのは大変気持ち悪い存在でもある。治安の上でも明るくしたほうがいいと思うのだが、スペイン人というのは細かいことは気にしないらしい。ライトアップの時間が遅いのは、たぶん、夏時間に設定しているためだろう。だから冬になったら設定を変えればいいだけの話である。実際、ポルトガルでは多くが夕暮れ時にライトアップが始まっていた。
ライトアップの時間でいつも苦労させられたが、昔のヨーロッパでライトアップがされていたわけではない。これが本来の姿だと思えば文句は言えないし、不気味なほどに幻想的なカテドラルの姿というのもなかなか見られるものではない。
(トレドとセビーリャの写真は別ページで紹介します。このページでは、サンティアゴ巡礼路の代表的な街を三つ、およびサラマンカ。1枚目と2枚目がブルゴス。3枚目から5枚目がレオン、6枚目から9枚目が聖なるサンティアゴ・デ・コンポステーラ、残りがサラマンカです)
感動したカテドラルはたくさんあるが、三つ挙げるとすれば、ブルゴス、サンティアゴ・デ・コンポステーラ、そしてトレドだろうか(セビーリャやサラマンカも捨てがたい…)。このうち、サンティアゴ・デ・コンポステーラのカテドラルはなんとなく素朴な印象もあって素直に好感が持てるが、ブルゴスとトレドのものは何と表現すればいいのか迷うところだ。装飾の限りを尽くした巨大建造物はまさしく権威主義の極みであるが、人間の限りない欲望に逆に感動してしまったのかもしれない。
ところでスペインに行ったのは真冬である。寒いのは辛かったが、中世ヨーロッパの雰囲気を存分に味わえた。ただ、写真を撮る上でちょっと問題があった。カテドラルなどの夜景を撮りたかったのだが、ライトアップの時間がどうもおかしいのである。街によっても違うが、夜になってもなかなかライトアップされず、バルでコーヒーを飲んで、食事までして外に出てもやっぱりカテドラルは真っ暗だったりして、もういいかげん帰ろうと思った瞬間に大聖堂が闇にぼんやり浮かびはじめるといったこともあった。当然だが、街はすでに閑散としていて、いったい誰のためにライトアップされているのかも分からない。第一、真っ暗な巨大なカテドラルというのは大変気持ち悪い存在でもある。治安の上でも明るくしたほうがいいと思うのだが、スペイン人というのは細かいことは気にしないらしい。ライトアップの時間が遅いのは、たぶん、夏時間に設定しているためだろう。だから冬になったら設定を変えればいいだけの話である。実際、ポルトガルでは多くが夕暮れ時にライトアップが始まっていた。
ライトアップの時間でいつも苦労させられたが、昔のヨーロッパでライトアップがされていたわけではない。これが本来の姿だと思えば文句は言えないし、不気味なほどに幻想的なカテドラルの姿というのもなかなか見られるものではない。
(トレドとセビーリャの写真は別ページで紹介します。このページでは、サンティアゴ巡礼路の代表的な街を三つ、およびサラマンカ。1枚目と2枚目がブルゴス。3枚目から5枚目がレオン、6枚目から9枚目が聖なるサンティアゴ・デ・コンポステーラ、残りがサラマンカです)