2010年 9月 10日
ハノイ郊外にあるベトナム陶磁器のふるさとバッチャン村をたずねた
ハノイから車で30分あまり。ホン川の対岸下流に位置するちいさな村が、ベトナム陶磁器の村として有名なバッチャンだ。焼き物好きにかぎらず、最近は一般の外国人旅行者もよく訪れる。といっても、あくまでも製造業中心の村で、ふつうの観光地ではないから、レストランや通りを眺めながらお茶するカフェなどはない。ただ、海外発送もしてくれるようなしゃれたギャラリーをもつ窯元も数軒あり、上客を装ってゆっくり品定めでもしていれば、おいしいベトナム茶を出してくれるだろう。
道の両側にならんだ工場や作業場で、焼き物作りの様々な工程を見ることもできる。また、村はずれのホン川沿いを歩くと、横着けされた石炭舟から手作業で荷下ろしする光景に出あう。路地裏でその石炭の粉をこねて燃料をつくるひと、出来あがった製品を満載した荷車を押すひと。みんなただ黙々と働いている。そんなひとたちに声をかけてカメラを向けると、たいてい笑顔をみせてくれる。それぞれ役割はちがっていても、もの作りに携わっているひとの誇り、と言ったら大げさだが、こころの拠りどころみたいなものが感じられる。