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ミャンマー中央部の乾燥地帯に位置するバガンは、ミャンマーで初めての統一王朝であるバガン王朝の都だった。仏教の中心地にもなったバガンでは11世紀から13世紀にかけて、多くのパゴダ(仏塔)が建立された。1287年、3度目のモンゴル軍の攻撃に耐えられず王朝は滅んでしまった。今では、3000とも5000ともいわれる無数のパゴダがバガンの乾燥した平野に広がっている。アンコールワット、ボロブドゥールとともに世界の三大仏教遺跡とも言われているが、政治的な問題が大きく、世界遺産には登録されていない。

初めてバガンを訪れたのは私がまだ写真を始める前、1987年だった。鎖国政策をしていたビルマは外国人観光客もほとんど見ることもなく、バガンは閑散としていた。

当時はどこのパゴダでも自由に上ることができた。迷路のようになっているパゴダもあり、なかなか上にたどり着けない。コウモリ臭い真っ暗な通路を通りやっと上部テラスにたどり着くと、地平線までパゴダが続いていた。多くは朽ちていく姿をそのままさらしていた。寝転がると遠い昔から変わらないであろう青空と流れる雲。平原では空を低く感じる。パゴダの頭が雲に届きそうだった。聞こえるのは、風の音と鳥の声だけ、目を閉じてずっと聞いていた。

それ以来、バガンは私のお気に入りの場所のひとつとなり、その後、幾度となく訪れた。だが、慣れというのはおそろしい。最初のころはバガンで柄にもなく無常を感じたり、夢中になってシャッターを押していた私だが、何回も訪れるうちにバガンが日常化してしまった。バガンの時も日常の時の流れになり、シャッターも重くなっていった。ここに載せている写真も多くは最初の頃に写した写真、1995年頃だ。バガンに最後行ったのはもう8年ほど前、次に行くことがあれば、新しい気持ちで新しい写真が撮れそうだ。

 

バガン1(遺跡) | バガン2(遺跡に暮らす)

 

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