2010年 8月 01日
中国国境に程近い大平原に遊牧民を追った。
旅に憧れる人間がまず考えることのひとつが、遊牧民に会ってみたいということではないだろうか。最初のインド(海外)旅行のあと、僕は世界地図を引っ張り出してきて中央アジアからチベットあたりを何度となく眺めて、遊牧民に出会うことをひたすら夢見ていた。あれから約20年、当初の予定通り(?)、僕はずっと旅にかかわり続けてきた。それはよかったのだがひとつ誤算があった。インド中心に歩いてきたため遊牧民と関わることがほとんどなかったのである。インドでたくさんの放浪者と出会ったが、彼らは遊牧民ではない。無人の荒野を渡り歩くためには家族と家畜が必要なのだ。インドの放浪者の理想はむしろ家族を捨てることにあり、同じ旅暮らしでも両者には大きな違いがあるような気がする。
関連ページ
ラダック
ラダック密教空間
遊牧民とまともに出会ったのはただ一度、このページのラダック遊牧民だけだ。ちょうど印パの緊張が高まっていた時期で、中国国境よりのツォモリリ湖近郊へのジープツアーが格安になっていた。「パキスタンから核攻撃されるので一緒に東に逃げよう。遊牧民の写真も撮れるぞ!」とガイドにそそのかされ、ラダックで出会った日本人5人で3泊4日のツアーに出掛けた。
たった3泊4日のツアーで何が分かったわけでもない。ただ、彼ら遊牧民の住む高原地帯はめちゃくちゃ美しく、また、夏だというのに夜はこれまためちゃくちゃ寒くて(標高がたしか4500メートル)、強風が吹けばテントを建てるのも困難になる、ということがよく分かった。空にはもちろん満点の星、だったような...(?)。
生まれ変わったら今度は遊牧民を追いかけてみよう。
生まれ変わったら今度は遊牧民を追いかけてみよう。
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