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バングラディシュ、インドとの国境の山岳地域にチンの人たちが住むチン州がある。ナガとも文化的にも似たチンであるが、ナガ族と同じようにチン族という固有の民族がいるわけではない。多くの部族の総称として外部からチン族と呼ばれている。ティディムなどの北部はキリスト教(バプティスト)の布教が早くからあり、古い文化は消えつつあるが、ミンダを中心とする南部チンには固有の文化が色濃く残っている。

チンの女たちには入れ墨の風習が残っている。チン州の南部にあるミンダに行くと、40歳以上の女たちのほとんどは顔に入れ墨を入れている。より奥の村へ行くと今でも少女に入れ墨を施している。チンで入れ墨を始まった理由を聞くがはっきりとしない。その昔、チンの女たちがビルマ王朝によりさらわれるので、それを防ぐために始まったという話を聞いたが、定かではない。日本でも古代は黥面と言われている顔面入れ墨があったし、チンの隣のナガでも男女とも入れ墨をする。台湾の高砂族と言われていた先住民も戦前までは顔面に入れ墨をしていた。入れ墨自体は世界的に古代ではごく当たり前の風習だった。チンでは、その当たり前の風習が今まで続いてきたのだろう。

チンの女性の入れ墨は部族ごとにデザインが違う。ダイ・チンは顔中にスポット状の入れ墨をするし、ムン・チンはトラの顔をデザインした入れ墨を入れる。クモの巣状の入れ墨を入れる部族もある。入れ墨を施すのは10歳前後のときが多い。

ある村で入れ墨をしていた20歳前の女性に聞いてみた。彼女が入れ墨をしたのは10歳くらいの頃。仲の良かった友達と一緒に親に頼み込んだという。「入れ墨をすると大人の女になれるんだ」というあこがれがあった。痛くて泣いたが、大人になれるという期待で我慢した。入れ墨が出来上がり彼女は友達と一緒に大喜びだった。でも、今は違う。当時は彼女にとっての世界は自分の村とその周辺だけ、女は入れ墨をするのが当然だった。しかし、その外には入れ墨をしない世界が広がっていたというのをほどなく知った。今では後悔しているらしい。「だって、ヤンゴンに行ってみたいもの」と、ちょっと照れながら語った。

チンで初めて女たちの入れ墨を見たとき、最初はもの珍しさだけで写真を撮っていた。しかし、何日か滞在し毎日入れ墨を見ていると、私の中で何かが変わった。入れ墨をしている女たちが人として魅力的に見えるようになった。撮った写真を見比べてみると分かる。彼女たちに私の心の中を見透かされていたようだ。

 

チン1(入れ墨の女)| チン2(敵討ち)チン3(男を上げる)

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