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犬たちとともに歩いたガンガー対岸。森の向こうから朝日が昇ってきたよ。…というわけで聖地を生きる動物たちのページ。

ガンガー対岸の岸辺のチャイ屋に座っていると近くに比較的図体の大きな野良犬が一匹やってきた。僕はすかさず舌を鳴らして合図を送り、ちょっと横柄な態度で「アイエ!アイエ! (来い!来い!)」と呼ぶ。そして、軽く尻尾を振りながら近づいてきた犬にお座りをさせて少し待たし、しばらくしてから一緒に散歩に出た。たった5分で犬は僕のことを主人だと思い込んでしまったらしい。そのまま砂地を歩いていると、やはり何匹かの野良犬が近づいてきた。僕はちょっとびびりながらもやはり横柄な態度を演じ続けてみんなのご主人様を演じてみせる。犬たちは特に疑問を感じることはないらしい。

そして翌早朝、対岸はまだ暗い。砂地に人はまだらだ。ボートを降り、ゆっくりとガンガー沿いを歩いていると、ようやく昨日の犬が尻尾を振りながらやってきた。これで一安心。散歩を始めると、何匹かの犬が合流した。親衛隊付きでなんだか気分がよい。他の群れもうろついていたが、うちの犬たちはここらへんでは優秀らしく、誰も近づいてこようとしない。そうこうするうち朝日が砂の向こうから昇ってきた。犬たちはじゃれて噛み合ったり、あるいはすぐ傍で静かにお座りしていたりする。カメラを無遠慮に向けても、もちろん誰も吠えたり唸ったりはしない。親衛隊なんだから。犬たちと迎えるご来光というのもおつなものだ。

ヴァラナシは他の街にまして動物の姿が多い。別に珍しくもないような動物たちだが、だいたいが放し飼いか野良である。牛の群れが夕方の街を歩けば街は大渋滞だ。ガンガー沿いの家々では猿の軍団が渡り歩き悪さをする。夜の路地に入れば犬が唸り声をあげ、ときには道幅いっぱいに寝転んでいる牛が邪魔で通行も出来ない。まさしく野生の王国状態。

写真を撮るなら、牛や水牛に突付かれたり犬に噛まれたり猿に襲われたりしないように注意が必要。カメラを構えたとたんに怒り出す動物たちも数多い。


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